【聴覚検査第2弾!】ティンパノメトリー・音響性耳小骨筋反射(レフレックス)~グラフの見方なども詳しく解説~

仕事

ティンパノメトリー・音響性耳小骨筋反射の検査の意味、結果の見方がよく分からない。

こんな悩みを解決します。

前回、純音聴力検査について記事を書かせていただきました。

わたしの勤めている病院では、聴覚検査において純音聴力検査と合わせてよくオーダーされる検査が「ティンパノメトリー」「音響性耳小骨筋反射」です。

ティンパノメトリーと音響性耳小骨筋反射検査のコツや結果の解釈などお話していきます。

ではいきましょう。

※音響性耳小骨筋反射を耳小骨筋反射と略させていただきます。

参考書
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耳の構造を理解しよう

まずは耳の構造やどのようにして音が聞こえるのかを理解していきましょう。

耳の解剖

耳はこのように外耳、中耳、内耳と分かれています。

外耳

外耳道から鼓膜までを外耳といいます。

外耳道は音を増幅させる働きがあります。

耳介で集めた音を外耳道で増幅させ、鼓膜に伝えていきます。

中耳

中耳には鼓膜と、鼓膜に繋がっている耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)があります。

鼓膜は音を振動させ、その振動を耳小骨に伝え、耳小骨は内耳の蝸牛に伝えます。

内耳

内耳は聴覚をつかさどる蝸牛と、平行機能をつかさどる前庭(卵形嚢、球形囊、三半規管)から成り立ってます。

蝸牛にはリンパ液が充満していて、耳小骨の振動でリンパ液が揺れ、その振動を有毛細胞が受け取ります。そして電気信号に変えて蝸牛神経に伝えます。

蝸牛神経は大脳に信号を伝え、「音が聞こえた」と脳が認識します。

ティンパノメトリー・耳小骨筋反射検査

ティンパノメトリー・耳小骨筋反射検査はどちらも中耳の状態を調べる検査で、検査時間は5~10分程で終わります。

簡単にいうと

  • ティンパノメトリー → 鼓膜の動きやすさ
  • 耳小骨筋反射 → 耳小骨筋の働き

をみる検査です。

それではそれぞれの検査を詳しく説明していきます。

ティンパノメトリー

ティンパノメトリーの検査方法は、片耳に耳栓をして、陰圧・陽圧をかけて鼓膜の動きを調べます。

耳栓をぴったりいれて、圧がかかるようにすることが大切。

耳を下にひっぱりながら耳栓をするとしっかり外耳道を塞ぐことができる。

結果の解釈

ティンパノメトリーの結果の分類は下の図のようになります。

https://twitter.com/Kokkashiken_med?s=0
A型Ad型As型
正常
感音難聴者
耳小骨連鎖離断
鼓膜の萎縮
耳硬化症
アブミ骨固着
B型C型
滲出性中耳炎
癒着性中耳炎
耳管狭窄症
滲出性中耳炎

A型

A型は正常波形です。A型の波形でも中耳より先の内耳で難聴がある場合もあるので、ティンパノメトリーだけでは判断できないときもあります。

⚪Ad型As型

耳小骨連鎖離断とは耳かきなどで耳小骨を傷つけてしまい、耳小骨の連携が壊れたり、骨折したりする事です。耳小骨は鼓膜の動きを制御しているので連携が上手くいっていないと鼓膜が容易に動くようになり、Ad型となります。

耳硬化症とは原因ははっきりと分かっていませんが、アブミ骨と内耳の間で起きる骨の病気で、骨の異形成が起こります。耳小骨が硬くなるため鼓膜の動きも悪くなり、山が小さくなり、As型となります。

耳小骨連鎖離断はAd型が37%、A型が42%、As型が11%の割合。耳硬化症はAs型が55%、A型が45%の割合。

耳小骨連鎖離断=Ad型、耳硬化症=As型とは限らないので注意しましょう。症状の程度で変わってきます。

⚪B型、C型

B型、C型の結果になる疾患に「滲出性中耳炎」があります。

滲出性中耳炎とは中耳腔内で炎症が起き、細胞から滲出液がでて、溜まってしまう疾患です。

滲出性中耳炎

滲出液によって中耳内の圧力が下がるため、ティンパノメトリー検査で陰圧のときに外耳道と中耳内の圧力が等しくなり鼓膜が動きやすくなります。

耳小骨筋反射

中耳の耳小骨連鎖には鼓膜張筋アブミ骨筋が付着していて、前者は三叉神経支配、後者は顔面神経支配です。

検査では主にアブミ骨筋反射を測定します。

アブミ骨筋反射の反射経路

反射経路は蝸牛から蝸牛神経、蝸牛神経核、上オリーブ核を経由して、両側の顔面神経核に繋がります。

音刺激を与える方法は

  • 反対側音刺激:プローブの反対側から音刺激する場合
  • 同側音刺激:プローブ内から音刺激する場合

の2つがあります。

結果の解釈

耳小骨筋反射が起こると下に凸の波形が出ます。

左右で反射が起きているか、音の大きさによって反射の違いが出ていないかなどをみます。

鑑別診断

鑑別診断をまとめた表がこちらになります。

障害部位反対側刺激同側刺激
右刺激
左反射
左刺激
右反射
右刺激
右反射
左刺激
左反射
右第Ⅷ神経障害‪✕‬
右高度内耳性難聴
脳幹障害
(正中部病変)
脳幹障害
(まれ、右内側オリーブ付近の限局病変)
右顔面神経麻痺
右中耳炎検査不能検査不能
鑑別診断

アブミ骨筋反射の図に当てはめて考えると、第Ⅷ神経障害と内耳性難聴はどちらも感音難聴になります。

  • 内耳性難聴→内耳の蝸牛の障害
  • 第Ⅷ神経障害→後迷路性難聴、蝸牛以降の障害

なのでどちらも同じ結果になります。

脳幹とは延髄、橋、中脳のことです。音刺激を反対側に運ぶところが障害されるので同側刺激のみ反射が起きます。

顔面神経麻痺はアブミ骨筋の手前の顔面神経が障害されるので、障害側の反射だけ起きません。

中耳炎は伝音難聴が起きます。伝音難聴の場合は下の通りになります。

伝音難聴(一側伝音難聴)

難聴耳に刺激音を聞かせると、A-Bgapが大きいほど音が減衰するので、反対側の正常耳の反射も出なくなります。

正常耳に刺激音を聞かせると、反対側の難聴耳の反射はほぼ無くなります。

まとめ

今回はティンパノメトリーと耳小骨筋反射の解説をさせていただきました。

耳の構造を理解するとさらに検査の意味を理解できると思います。

お互い勉強頑張りましょう!

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